愛を語らない愛のカタマリ

もし私（たち）がSLを儲けツールとして始めてたなら、
「無名のオリジナル曲」・「2prims故のショボい外見」
...こんな条件のオルゴールは作らなかったでしょう。
有名なクラシックBGMや豪華な装飾が好みなら、
自分で作るか、他のお店を探せば良いのですから。

私が作った入れ物は、ただの箱と円柱だし、
音が鳴る以外、特別な機能がある訳でもありません。
でも最近、外人さんからファンコールを頂きました。

このオルゴールの他に無い魅力といえば、その音楽です。
しかも、わずか10秒のループという、小さな音楽。
作曲を担当した彼女も、まさか自分の音楽が
国境を越えて愛されるとは、想像もしてなかったでしょう。
そんな彼女の小さな音楽には、一つ大きな共通点があって、
タイトルや歌詞に、決して"愛"とか"LOVE"の文字が出てきません。

だって、私が愛を知らないからね。

随分前に問うた答えは、そんな寂しいものだったのですが、
私（たち）は確かに、その音色から愛を感じてた気がします。
（死にたいほど苦しい時に、泣きながら聴いた曲もありました）

試験が終わったら、3作目を作りましょう。
耳慣れたクリスマスソングが溢れる中で、世界に一つだけの音楽を。